マゴコロ
恋月 ぴの

わたしと一緒のときでさえ
素知らぬ顔でメールチェックする あなた
コーヒーをかき混ぜる仕草で
わたしのこころをかき乱す
いつの間にかミルクを入れなくなって
ショウウィンドウに映る姿を気にしている


時計代わりの携帯電話
日焼けしたあなたの左手首に残る痕跡は
わたしの知らない
知りたくもない あなたの素顔


わたしの欲しかったものは
コーヒーカップのよどみに消えて
ロンリーハートは梅雨景色
ライトヴァースのうつろいは
わたしの知らない遠い空のした


「マゴコロってなんだろう」
 それはあなたの指先
 それはあなたの息づかい


わたしだってと思いながらも
ロンリーハートは降りしきる雨に濡れ
言い出せない 震える唇
臆病なわたしを膝に抱えて


自由詩 マゴコロ Copyright 恋月 ぴの 2006-05-08 13:02:39
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