ぽえむ君−疾風−
ぽえむ君
ぼくは詩人
何かのために走ることも
走って何かを求めることも
人としての営み
今日もまた
朝の散歩をしていると
疾風に出会いました
勢いよく真正面から
ぼくを飲み込む
その力強さは
ぼくに歩くことを断念させ
目をも閉じさせた
その瞬間
ぼくの胸に1枚の紙が当たる
まるでぼくに届けているかのように
かろうじて目を開けると
竜の吹く疾く風乗せむわが道に
われを導け明るき世界へ
しっかりと持とうとして
手を動かしたのがあだとなり
紙はぼくの手からするりと抜けてしまい
風の流れとともに舞い
風の強さとともに遥か遠くへ
見失う間際に
颯爽たる姿で
その紙が光ったことは覚えている
気持ちに言葉はいらない
明日もまた
言葉のない詩を作りたい