ぽえむ君−疾風−
ぽえむ君

ぼくは詩人

何かのために走ることも
走って何かを求めることも
人としての営み

今日もまた

朝の散歩をしていると
疾風に出会いました

勢いよく真正面から
ぼくを飲み込む

その力強さは
ぼくに歩くことを断念させ
目をも閉じさせた

その瞬間
ぼくの胸に1枚の紙が当たる
まるでぼくに届けているかのように

かろうじて目を開けると

 竜の吹くく風乗せむわが道に
    われを導け明るき世界へ

しっかりと持とうとして
手を動かしたのがあだとなり

紙はぼくの手からするりと抜けてしまい
風の流れとともに舞い
風の強さとともに遥か遠くへ

見失う間際に
颯爽そうそうたる姿で
その紙が光ったことは覚えている

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−疾風− Copyright ぽえむ君 2006-05-06 22:54:26
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