ぽえむ君−今昔−
ぽえむ君

ぼくは詩人

今は昔の話となってしまったが
と言える自分もまた自分

今日もまた

朝の散歩をしていると
青年に出会いました

若々しいその姿は
自信に満ち溢れていました

科学に傾倒し
物語や歌などには目もくれず
ひたすら数学による理論というものを
信奉して止まない

数理な目

ぼくから見た彼の印象

前からぼくに向かって
歩み寄ってくる

何も言わず
軽く会釈をしただけで
すっとぼくの横を通り過ぎる

振り向くと
彼の姿はどこにもありませんでした

彼こそ
若かりし自分であることを
忘れてしまっている自分でもあった

冷めた頭脳とともに
体の中に温かい何かがあったのだろうか

気持ちに言葉はいらない

明日もまた

言葉のない詩を作りたい


自由詩 ぽえむ君−今昔− Copyright ぽえむ君 2006-05-05 22:35:37
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