サボテン
m.qyi

サボテン
               mizu K
空からあまつぶがふってくるのに
今日の空は晴れている
にわかに雲がはしっているので
風がわらって
走っていって
あとにのこされた僕は
ビルから飛び降りてみたけれど
通行人にぶつかってしまった
サボテンを買ったので
たいせつにたいせつに
膝の上にのせて
電車にのってたんだ
ぶつかられた通行人は
頭がへこんでいたけれど
こういうこともありますから
とわらって
去っていって
あとにのこされた僕は
ロックン・ロールとジャズのあいだで
ただよっているのだけれど
あいかわらずウッドベースにあこがれて
屋上からじょうろで
虹をつくっている
空からあまつぶがふってくるのに
今日の空は晴れている
パンティラインが気になりますので
タイトスカートのときには
なにも下にはきません
それでパーティに出て
気に入った方には
それとなく吹聴します
今日ワタクシ
下の着物を召しておりませんの
いうなれば
ノーパンというやつですの
おほほほほ
あとにのこされた僕は
ロックン・ロールとジャズのあいだで
ただよっているのだけれど
あいかわらずウッドベースにあこがれて
屋上からじょうろで
虹をつくっている
ときどきビルから
飛び降りてみるけど
やっぱり通行人にぶつかるので
ときどき鉢植えをほうりなげている
にわかに雲がはしっているので
風がわらって
走っていって
今日もまた
サボテンをながめている

止まった音楽が流れ出すと...

mizu.kさんというのはもともと巫山戯た詩しか書かない。趣味が非常にいいようでいて悪い。この詩もノーパンの女の人の話がでてきて、読んでいる僕も下品だからかもしれないがなんか陰毛なのだ。そのちょっとおへその辺りにサボテンが浮いていて、緑でチクチクする。それを見ていて音楽が静かに止まっている。また走り出すかもしれない音楽がちょっとタバコを吹かしている。
人生はそんなものかもしれないし。死体が空から降ってくることもあるかもないかもしれないどころかそんなことは普通はないし、植木鉢がふってくることもないと信じているし、ましてやおっこってきたものが頭にあたってへらへらする奴はいないというのが人生だと言われているけれど、ところがどっこい人生はわからないというのは嘘で、やっぱりそんなことはまずない。

例えば、植木鉢をマンションの窓から放り投げて人に当るとマッカだろう。それをサボテンを掌の上にのせて見ている。午後。ノーパンの女のように。つまり、ノーパンの女とある種のサラリーマンというのはだいたい同種族なのかなあとぼくはそんな気がしておもしろいし、まあ、こわい。


散文(批評随筆小説等) サボテン Copyright m.qyi 2006-05-04 11:54:35
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