哀しいメレンゲ
田島オスカー


いつもは見られない朝もやが
何かをこえてやってきてくれて
あたしは焼き菓子のような気持ちで
しかし空気はぐっと 
冷たい

失くしてしまうのは
思い出せないようなものばかり
そんなふうにふわふわと
漂っていられる朝焼けの帯が
痛いくらいうらやましい

何も響かせるものなどない
現実の薄ら明るい徹夜明け
あたしは結局
月の下の愚か者なのでしょう



 


自由詩 哀しいメレンゲ Copyright 田島オスカー 2006-05-03 05:06:43
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