心からはじまり、心におわろう。
まほし

あいされたい
きれいに見られたいと思って
心を宝石で飾り立てても
光の底に泥沼がよどむでしょう


あいされたい
つよく見られたいと思って
心を諸刃の剣で守っても
自らも世界も黒い血でむせぶでしょう


喜びの種からは喜びの木が
悲しみの種からは悲しみの木が
太陽の手に育まれて
次の種に環るなら


あいされたい、という
見せかけの言葉を裏返して
あいしたい、という
生まれたての瞳のような心を開いて


心からはじまり、心におわろう。


そして再び
ささやかな欲さえも
しなやかな枝にかえて
天に包まれるように




自由詩 心からはじまり、心におわろう。 Copyright まほし 2006-04-26 06:02:45
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