ただひとつの言葉
長谷伸太

綺麗ね、とならんで毎日歩いた
これが、あの子の世界

キレーネがゆれて
キレーネがキレーネの蜜を吸い
キレーネに囲まれた
キレーネを歩き
キレーネを眺めると
キレーネがのぼり
キレーネが瞬きはじめ
キレーネの下にそっとすわって
キレーネを待つ

キレーネがすべてだった
母さんが一番最初に教えてくれたこと
手をつないで歩く帰り道


自由詩 ただひとつの言葉 Copyright 長谷伸太 2006-04-18 22:20:01
notebook Home 戻る