チャコール
空論

故郷のような
異国のような
そんなどこかの路地裏で
「こういうことか」と嘯きながら
もうすぐ彼は
終わるだろう

二階の窓を
閉め切って
眼鏡を外し本を閉じ
フィラメントの熱の下
もうじき彼女は澱むだろう

そんな雨の木曜を
傘を開いてわたしに返す


未詩・独白 チャコール Copyright 空論 2006-03-29 00:53:08
notebook Home 戻る  過去