それでもあなたの道を行け
アマル・シャタカ

あなたと
彼との
星の質量が違うから
その差に寂しくなるとしても
ここから見れば
満点の星たち
キラキラ同じ
暗闇の道しるべ
それでもあなたの道を行け
信じるという引力が
互いの距離を教えてくれる

一人ぼっちではみ出した
世界の影で泣いていても
それでもあなたの道を行け
いつでも星にはなれるのだから
あした道に倒れても
行かなくちゃ
行かなくちゃ

我が血を呪って井戸の底
自分を食らうイドの怪物
血の定めに流されても
それでもあなたの道を行け
いつかは変わる血が花に
血は地に帰り花になる

永久なることを誓い
憎しみあって別れても
いつまでも
憎んでなんかいられない
だから
それでもあなたの道を行け
大丈夫
みんな涙が流してくれる

ひもじくて
ひもじくて
愛する人にも苦労しか
与えるものがないのなら
月に向かって泣くがいい
それでも傍にいてくれる
愛しい人がいることを
月明かりが教えてくれる
たとえそれが荒野の道でも
それでもあなたの道を行け
背中の傷を舐め合って
二人静かに行くがいい

神様を敵に回しても
救いたい命あり
それでも救えないときがある
無力を呪詛に作り変えても
戻らないものもある
それでもあなたの道を行け
刻み付けた命の痕に
思い出は歌う
まなじりを結して
行かなければならない
思い出が歌い続ける限り

詩人の言葉は
夜道の灯火
夜風が吹けば消え去って
つけては消えて
昨日今日
真っ暗闇を歩いてまわる
それでもあなたの道を行け
消えても消えても
つけねばならぬ
夜道さすらう者のために


自由詩 それでもあなたの道を行け Copyright アマル・シャタカ 2006-03-21 03:52:16
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