うたの肖像
銀猫

うたを綴る
ひとつ ノォトに
うたを紡ぐ
ひとつ こころに
今日の言葉を装い
明日吹く風を纏う

雲に似て
恋に似て
刻々とかたちを変えるその憧憬を
留めるため

小さな引き出しや
オルゴールの宝石箱から
文字の欠片をひと粒ずつ取り出して
わたしは糸を通してゆく


そうして
未だ輝くことを知らぬ詩を描いては
をさな児のようにそっと抱いて
隠れ家に運ぶ


初恋のきみの声が
消えかけても
陽に焼けた紙の上で
あの頃、は
少し埃を被って
いのちを守っている

永遠が
容易く手には入らぬものなら
うたいたい
うた を ひとつ
うたいたい
恋に染む色で



自由詩 うたの肖像 Copyright 銀猫 2006-02-23 02:09:34
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