あぁいを 叫ぶ!
千月 話子

  (本日の天気・九官鳥曇り)

天気予報士が少しくぐもった声で言った
昨日の予報では
(スズメのち晴れ)
小さなさえずりは 集まって
高音と 空へ抜ける
清清しい朝に撒き餌して
集まった騒々しい
羽毛 飛び散る中で
「キミが好きだ!」と叫びたかった。


「おはよう」を禁じられた朝
各家庭のテーブルにて
虚しい 紙と鉛筆
早く今日が終わらないかと
・・・溜息をついた


火の点いた 子供等のルール無用
あの「おはよう」は
九官鳥の空を 空を そぅらを
波のように うねって行った
次にリレーされる言葉には
親から止められた
「お」の付く言葉が羅列されるのだろう
空には放送禁止など無いのだから


そのように 落ち着かない日あれど
九官鳥の曇り空へ 時と時 飛び交う
「○○ちゃんが、好き!」に
胸の奥が きゆん とした


ダミ空へ ダミ空へ
高く響け 人恋うる声よ。


集まったくちばしの
黄色い擬似太陽も
受け入れて
晴天と妄想し
僕等も 愛を 愛を あぁいを
    叫ぶ!






自由詩 あぁいを 叫ぶ! Copyright 千月 話子 2006-02-21 23:49:57縦
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