きろ、つきはなし
合耕

笑ってやるつもりで夕空になった
そんな時間だから

恐ろしく冷たい態度を取ってしまったって
海岸線を描くのは どうか止めないで

早足で砂を踏む君の息が
斜め後ろから僕の肩に当たるだろう
沈む日が差すと 一瞬 タンバリンの音と見間違える

そういう風にして海岸線を描くこと
僕は知らないふりして
君は知らない僕に教えるふりして
どこまで着いて来てくれれば信じられるのか なんて
わからないから
1km歩いた 4km歩いた 500km歩いて もしかしたら700000000km

笑ってやるつもりの夕空が愛想を尽かしても
どこまでも歩いてしまうから きっと
思いきり恥ずかしい顔をすれば それでもまだ夕空は呼べるかもしれなくて

700000000kmついて来る人なんて 
だって やはり いないはずで


自由詩 きろ、つきはなし Copyright 合耕 2006-02-10 00:54:30
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