心の色
さち

なつかしい歌を
久しぶりに聴いたから

あの頃読んだ詩の一節を
ふっと思い出したから

永遠だと信じてた時間が
いつの間にか
過ぎ去ったことに気付いたから

絶え間なく変わり続ける
「今」の中で
自分を確かめたくて
ふるさとの海に還る

大人じゃなくて
子どもじゃなくて
名前じゃなくて
“私”で居ていい と
胸に直接言ってもらう
眼を閉じて かみしめて
眼を開けて

そうしたら
空が見えた
囲いのない
空があった

この一瞬の連続が
全部 私自身になるなら
絶え間なく変わり続ける色
だったとしても
私じゃない何かで
塗りつぶしたり しない


自由詩 心の色 Copyright さち 2006-02-09 08:02:41
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