玄関先における想像
むらさき

わたしの
内臓に
広がっている
四次元の宇宙に
向かって
こんにちはと
声をかけると
いつぞやの
バービーが
ケンとともに
儀礼的挨拶を
返してくれた

ありがとう
こちらこそ

床につくと
ごったがえされた
宇宙が横になるので
軽い吐き気を
もよおした

だから
あたしは
いつも垂直に
寝なければならない
のであった

意識をせずに
右足と左足を
交互に出すために
そう
しなければ
ならないのであった

気まずい哲学が
嫌いなの

関係性について
語りたい
あたし

もう
どうしようも
ないじゃないか

ねぇ
おまえさん

ところで
あなたが
吸った今までの
タバコの箱で
ドミノをするので
捨てないで
残しといてください

雨が降っていて
宇宙は
今日も
一人ぼっちでした

ああ
あたしの知っている
男と
女を
一対ずつにしたら
どちらが
どれだけ
あまるかしら

誰が
あまるかしら

あまるといえば

演繹的な
方法で
愛を
見つけだした
男女は
挙手をお願いします

ひとりのあなた
ひとりのあたし
ふたりのあたしたちと
大勢のかれらが
一緒くたになって

砂つぶに
宇宙を探してるから

神様は
笑うのを
やめませんでした










自由詩 玄関先における想像 Copyright むらさき 2006-02-07 22:53:20
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