不断(愛のエチュード)
恋月 ぴの

いつかの君とひたすらに逢いたくて
五線譜に綴ったふたりの情愛の記憶を
休止符に挟んだ花水木の栞で辿れば
蘇る感情の起伏に今も戸惑ってしまう


それは仕組まれたエチュードの調べ
震える指先では不確かな断片のままで
終止符は記憶の中央より足早に遠のき
去年の手帳に挟んだふたりの写真に魅入る


愛を確かめる行為と肌の触れ合いは
唐突なほどに生々しく途惑う息遣いに
概念の空はあまりにも青く 瑞々しい


確める必要など無かったのだと言い聞かせ
重なり合う太陽と月の狭間で揺れるのは
行き場を失った愛の鼓動とハッピーエンド


自由詩 不断(愛のエチュード) Copyright 恋月 ぴの 2006-02-07 07:24:03縦
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