仰ぐ、空の視界で
望月 ゆき

規則的に並んだ 長方形の、
石の上に横たわる
やわらかな、暗室
腕をまっすぐ 前に伸ばして
星座の距離をはかる
おや指とひとさし指で足りるほどの
遠さで
わたしを見下ろしている


そのすきまに点在する
無数の塵や、光
それらを内包して、視界は
少しずつずれていく


もう、何遍
そうやって仰いだのだろう


真上に来る瞬間を
いつも見逃してしまう
やがて通り過ぎては
消えゆくものばかり
追いかけているせいだと
見えない空が
わたしを促す


不必要なほどに
ねじまげた、からだの 
右側から  
沈んでいけたら、きっと
もっと
ただしい距離でつながっていられた


自由詩 仰ぐ、空の視界で Copyright 望月 ゆき 2006-02-02 00:35:30
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