冬の雨
たかよし

煙草を買おうと部屋を出た

外は大粒の雨

アスファルトは鯨の背中の

光沢で濡れ

商店街のタイルばりの地面は

輝く水をたたえる湖

薬局のトタン屋根を

雨が叩く バラバラと

音がする

小さな折り畳みの傘では

間に合わない

ジャンパーはずぶ濡れ

疎ましそうに雨雲を睨み

湖に波紋を起こしつつ

部屋に戻った 

寒かった

でもなんで薬局に

健康に悪そうな煙草の

自販機があるのだろう

喉を悪くさせて

薬を売りつけるつもりか?


自由詩 冬の雨 Copyright たかよし 2006-02-01 21:37:18
notebook Home 戻る  過去 未来