工事
人間




雨の新宿区に顔を植えれば
必然的に淡い頭から悪い

沸騰した羊水で日清カップヌードルシーフード味を作る
植えた顔に乳液を塗り
重い餓えが鼻先に迫る温度まで見守る

床に広げた楽しい地獄絵図の上で
人妻の告白を断る仕草を稽古する

完全密室で無造作に
砕いた氷砂糖を
耳に詰めれば今晩も
夜の工事は優しい

洗わないコップに
100円均一のウーロン茶
育った黴ごと慈しんで飲む

雨の新宿区に托鉢する生臭坊主の
放し飼いする針金細工の獣が
無頭人の為に暖かい逃げ道を作る

緑目玉の赤達磨に裏声で懺悔すれば生煮えの
煙草燻る子宮の輪郭にすべからく手が届く

麺を啜って夢に入り
しわがれ声の天女に会う
口移しでガソリンを満タンにして
国境の溝に針を落として
戦う音楽をガソリンに沈める

荒い画素

雨の新宿区を泳ぐハンマーヘッドシャークに
ブルーベリージャム塗った壁をぶら下げて
アベコベに広げた両胸を冷やす

氷砂糖に蟻が群れて
蟻と雨に溺れながら
自慰する天女に軽蔑される夜

一人歩きした顔が
夜を工事している


携帯写真+詩 工事 Copyright 人間 2006-01-29 01:50:01
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