壱秒祭り
合耕

昨日まで司法書士じゃなかった
から バズーカの砲口が黄色く見えない
同じ毛モジャのバスタオルをかぶせられても
胸が張らないけど

空気圧でブルブルと 振るえてる自分の頬が
どんどん擦れるような感触になってしまう
事務所へ上がる階段が崩れるときの
逃げ方もいつも同じ
腕を回せない窓の下まで 

踏み止まってみたくなって 
でも そう言えなくても 
もっと大きなブルブルを待つ時間 すっ飛ばして
体育帽みたいな頭にも 毛モジャを移してほしい
今度こそバズーカをしっくり感じれば

5匹のムカデに分かれ 競技場で立ち止まる 
振り返って指差す壱秒
仮死状態の体を 横たえる板張りに
チューブを滑らせて指差す壱秒
広々とした廃屋を回り 何かに寄りかかる
それが何かわからないままで
指差す 壱秒を指差す


自由詩 壱秒祭り Copyright 合耕 2006-01-29 00:00:03
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