わわく ろらん
(1+1)/4

さかなが泳いだ
ちいさな波を切った
そらのその跡はすかさず隙あわさっていく
その そらの
なみだ

目玉はいつもさけんでいる

これではきつねの嫁いりにもならない
かわいいひとりごとを手のひらにうけて
ものをながめ疲れた目が負けじと潤おうとするのを
架空の意識しない液体をままたたえ見あげる

何も見るまいと決してしまった虹彩が身づくろい
窓そうじに余念のない雨
目を閉じるとしんしん ながれる
実在の随意の液体は沁みてめぐった

乾いているのだ だから吸いこんでしまったのだ
干からびた川のかたちを しもやけのどこかにうかべては
きっととらえているのは色よりもそのとおさ
もう どこにでもいってしまえ

ま新しい昨日のうえを はしっていく きかんしゃ
雲よりもはやく とおり過ぎた
たかくたかく ああそっちはあさっての方角か
つまりは なにもつかまえられていないのだった


自由詩 わわく ろらん Copyright (1+1)/4 2006-01-26 17:53:00
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