ランタン売り
暗闇れもん

暗い夜道の向こうからランタン売りがやってきたよ
道行く人には見えないらしい
こうもりマントをすっぽりかぶり
すべるように探しているのさ
まれに時間の隙間に落っこちた
わたしのようなものをね

黒目しかないくるくるとよく動く眼
節くれ立った指でわたしの眼球をなぞる

じゅっと燃える赤い炎が
焼けてしまうよおかあさん

くるくるとくらいくらい

気づき見渡すわたしは元の交差点
くすぶる火種をそっと消す


自由詩 ランタン売り Copyright 暗闇れもん 2006-01-25 11:13:27縦
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