白秋
七尾きよし

中国の陰陽五行説によると
白秋は西の方角へと太陽が沈んでいく季節だという
人の一生の中年期を指すことば
頭に白いものがいよいよ目立ちだすころだ
水水しい青い春の季節はもう遠い昔
赤赤と燃え盛る熱に浮かされていたような
人生の夏の季節も過ぎたころ

地球は公転し
四季移ろい
日没の後に日はまた昇り
秋冬春と時は巡る
人は一人で生れて一人で死んでいくと言う人がいて
そんなことないよと誰かが笑ってる
花咲き 実成り 葉落ち 新芽を蓄える
年を経 枝枯れ 幹腐り 倒れ落ち
土と成り 種落ち 芽吹きの季節が訪れる
太陽は自転し 地球は公転し 季節は回転し
木木のいのちは循環する

人はどういう風に転がり回るのだろうか
一人でんぐり返しするのはさびしくて
後ろを振り向けば行列だ
白い秋の日にでんぐり返しをしてみよう
ぐるぐると回り続ける太陽想い
ぼくらいのちを乗せて猛スピードで周り続ける地球を想い
桜チューリップあじさいひまわり芙蓉キンモクセイにさざんか
花花と一緒に回り続ける季節を想い

母ちゃんを想い
父ちゃんを想い
ばあちゃんを想い
じいちゃんを想い
生れてくる子どもたちを想い
いろんな顔がぼくの中でぐるぐる回りだして
秋の日のにおいの中
人生の環の中でんぐり返し


自由詩 白秋 Copyright 七尾きよし 2006-01-24 19:50:09縦
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