機熟
七尾きよし

古びたカサカサの皮膚が
いつの間にか
みずみずしさをとりもどし
ムクムクとふくらむだけふくらむと
はじけて
新しいいのちがはじまる

ひとつ
またひとつ
失われてしまったはずの
色たちが
ひょこっ ひょこっと顔をだし
あっ  という間に
ぼくの中の色たちも
目をさましだす

さくらの花が咲くころ



自由詩 機熟 Copyright 七尾きよし 2006-01-24 19:39:49
notebook Home 戻る  過去 未来