思い出『かまくら』
LEO

かまくらで
みかんが食べたいって
のんちゃんが言ったから

なん日もくもった空だった
なん日も雪がつづいていた

そう、だから、ふたりで
かまくらを作ろうって、ね
どうろわきによせた雪山に
スコップで穴をほったんだ

つかれるから、かわり番こ
私はおねえちゃんだから
ちょっとだけがんばるの
ふしぎだね、体がほかほか
あんなに寒かったのに、ね

うんこらしょ
どっこいしょ
かけ声はださないけれど
ふわふわだった雪が
こんなにおもたい

 うんこらしょ
 どっこいしょ

小さいけどふたりなら
だいじょうぶ、はいれるね
かまくらの中はあたっかいね
雪のてんじょうがあかるいね
がんばって、うれしいね



ならんでふたり
かじかんだ手で
みかんの皮は
うまくむけない

そろそろひえた体に
つめたすぎて
冷凍みかんみたい

おしりがつめたい
ほっぺたがつめたい
くちのなかはもっとつめたい

ねえ、のんちゃん
はやくこたつであったまろう


自由詩 思い出『かまくら』 Copyright LEO 2006-01-23 21:03:48
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『思い出』