理り
maumi

暗がりの中で一滴水を垂らす
砂が命を吸い上げ源が潤う
暗潮に透過光 眩く

かけがえのない命の満ち引きは
今 満月の力を借りて海に帰らんとする
握りしめてこの世に生まれしお子は
全ての災いと呪いを吐き出し手をひろげ
潮の引くがごとく終わりを告げた

 生命の終わりだ

暗がりの中で一滴水を垂らす
砂が命を吸い上げ源が潤う
暗潮に透過光 眩く

潮が満ち岩肌に波が被るほどの大波
今 満月の力を借りて産声を挙げ様とする
張り裂けんばかりの泣き声は

痛みの中で知った最初の言葉

全ての希望と安らぎを逃さないよう握りしめ
潮の満ちるがごとく始まりを告げた

 生命の誕生だ

暗がりの中で一滴水を垂らす
暗潮に透過光
その光は誰にも 眩く




自由詩 理り Copyright maumi 2006-01-22 10:39:41
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