こころにいつも花束を
炭本 樹宏

 街灯灯る深夜の通り
 できそこないの自分には
 ふさわしい

 迷子の猫が鳴いている
 宴を終えたサラリーマンが
 鼻歌まじりにとおりすぎる

 いつもいつもおもってること
 秘密の欲望
 満たされず自動販売機に
 救いを求める

 こころに突き刺さった
 彼や彼女や母ちゃん、父ちゃんの
 言葉の数々
 
 眠れぬ夜に僕の心を締め付ける
 
 苦しきかな 人生
  
 冬の冷気が心まで凍えさせる

 視界の狭くなった僕の視界
 喜びと言えるものは
 北風とともに吹き飛ばされる

 独りのワンルームは牢獄のよう

 生きることを諦めずに
 北風にふかれながら
 自分の宿命を捜し求める

 そうだなぁ
 春になれば
 こころに青空が
 晴れ渡ってくれるかなぁ

 毎日怯えて暮らすのは
 やめにしよう

 こころにいつも
 花束を





自由詩 こころにいつも花束を Copyright 炭本 樹宏 2006-01-21 01:17:00
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