にじいろあいらぶゆー
七尾きよし

人と出会っていく。
もともとそこにあるものと出会っていく。
自分が住む地域の文化や歴史を自ら掘り下げていく。
市民の生の声を伝えていく。
意味があふれていく場

人と出会うことは
感情と出会うこと
その人が背負っているものと
出会うこと

ぼくの中に生きている
いろんな意味たちが
彼・彼女の意味たちと
一つずつという単位で

ぶつかり合い なぐり合い
抱き合って 一緒に泣いて
冷たくして 無関心で
触れてみたくて 実は興味があって
肩を組んでがははと笑い いいねいいねと指を指しあう
そんな関係

そこには意味があふれてて
一粒ひとつぶの大きさは限りなく小さくて
数え切れないほどの意味の雫(しずく)が
ぼくたちの出会いからあふれだす

ずっとそこに流れている
人びとの血肉と喜びの涙の水の存在に
気づいてないのはぼくだけで
止まったことの無い河の流れがそこにあり

そもそも自分はどこにいるのかと
周り見渡すと
じゃぶじゃぶと泳いでた
大河のど真ん中泳いでた

気づいたからには
自分で動き続けなきゃ
沈んでしまうもんだから
じゃぶじゃぶぼくは平泳ぎ

ときどきすっと
力を抜いて垂直に
水なか堕ちてくのも
楽しげに

人生の河は流れてるから

ぼくはそれを知ってる
あいらぶゆー



自由詩 にじいろあいらぶゆー Copyright 七尾きよし 2006-01-18 16:24:06
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