狐の面と指の隙間から花火
maumi

すぐさま起きる月夜の晩に
指の隙間から 月光浴

後ろ向きに着けた 狐の面
太鼓の音で 起きそうだ

硝子玉のような林檎をほおばり
ユラユラ泳ぐ金魚は 紙の上で跳ねた

よつゆに濡れた葉っぱは
足首をくすぐり

近くの田んぼはウシガエルの声がする


好きなあの子はどこかいな



    鉄砲買ったか 

         水あめ買ったか


   とおもろこしは高くて買えん



指の隙間から 赤い花火


好きなあの子はどこかいな


後ろに着けた狐の面が
あの子見つけて踊りだす

すぐさま起きる月夜の晩に

涼風たなびく 窓の外

硝子の金魚が チリンと鳴った 


自由詩 狐の面と指の隙間から花火 Copyright maumi 2006-01-15 01:41:28縦
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