和紙で切り抜いた蝶が飛ぶ
maumi

和紙で切り抜いた蝶が飛ぶ
アヒルを抱く少女がひとり
唄をうたう

裸足のキリンが通りすぎる
今日は8頭も通りすぎる
それよりも大きな啄木鳥が
鼻唄のボリュームをあげる度
口から漏れる蝶の大群は

左から右へ 波打つ花飾りの蝶

ゴリラと寄り添う少女の傾げた首と
片膝ついたゴリラのしかめっ面
雪山の中に腰かけた

象は鼻で前のやつの尻尾を掴んで
その後ろの象も前のやつの尻尾掴んで
そのうちグルっと回るから先頭のやつが
解らない

1 2 3 4 5 6 7 8 9 

ここまで数えてやめちゃった

水たまりを渡るアヒルが手に戻る
あなたの胸の感触が
あなたのひざの感触が
心地よいから
黄色いくちばしも
より黄色くなるってもんです

和紙で切り抜いた蝶が飛ぶ
アヒルを抱く少女がひとり
唄をうたう


未詩・独白 和紙で切り抜いた蝶が飛ぶ Copyright maumi 2006-01-14 02:05:19
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