冬空
石川和広

夜になると
考え事が増えて
朝も考えているけど
いつでも
今から
考えることができる
たくさんの雪の
物憂げなテレビニュースに押されて
僕は
やらなくちゃいけないことを
考える

生きること
ぶつかる肩
遠い涙
まばらに
その中にいて
人の作品について
語る
少しずつ
見えてくるかな
その人の波動
僕の罪
かきわけて
語れるだろうか

生きている
そして
夜に
犬が吠えない
室内で
僕は本を読もうとする

屈折した情熱
春は恥ずかしい
灰色の
目を持つだけで
ストーリー
あるいは
ストレス
社会から
浴びる位置に立つ

僕は冬ぞらが憂鬱で
好きな詩が
出来てくるのを待って

コーヒーを飲んで
昼寝して
魂が目覚めて
体は眠る力を失っていて
少し
笑える話が聞きたくて

珍しく集中して
重く生きて
何にも関係ない
といいたくて
それでも
掌を握って一緒に
歩きたいんだ
冬ぞら
君と

僕は
僕のままでしか
いられなくて
いい意味で
開き直って
君を待っている

それは
開け放たれた空間
僕は
僕に
もつれたまま
いきるよ
話すよ
歩くよ
からだのままで


自由詩 冬空 Copyright 石川和広 2006-01-13 18:49:22
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