はじまりの詩
七尾きよし

人の一生は
うたかたの夢のように
何が起きてるのかも
わからないうちに
過ぎ去ってしまう

朝 眠い目をこすり
仕事へ出かけ
精根疲れ果てて
家路につき
自分が本当は何がしたいかなど
どうでもいいことのように
日々の生活に埋没してるなどとも思わずに
目は閉じられ
また 一日が過ぎ去る
 
こころが乾いてしまわぬように
ひと時の安楽のために
酒を飲み
パチンコにいそしみ
テレビの前に座り心地よさを楽しみ


タバコを吸い
コンビニへ走る
大切なことを忘れてしまうために

きっと思い出すとこころは乾いてしまうのだ。
こころが感じていることは
あまりにも
痛々しくて
叫び声は
あまりにも
切なくて
ぼくたちは忘れるために
毎日を費やしている。
大切なものを
忘れるために。

誰のために生きてるのだろう
誰が感じてはいけないといったのだろう
誰が自分が大切だと思うことより
もっと大切なことがあると
幼き日のぼくに教えたのだろう。


自由詩 はじまりの詩 Copyright 七尾きよし 2006-01-09 14:01:53
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