悲の舞い手
まどろむ海月


散りゆく影を追い
夢は螺旋を描く

振り向かれることも
交錯することもなかった
微笑みが蘇る

たゆたう まなざし
銀は舞い散るのに
光りは指から
こぼれる

触れられず
かなえられず
彷徨いの果てに
壊れたゆらぎは
痛みの舞台でまわり
燃えつづける


 我は悲の舞い手
 緋の衣を身にまとい
 鼓を打ちて
 舞いに舞う


  かなしみの谷を
  揺れながら
  きみは

  きみは
  何処に
  行くのだ










       


自由詩 悲の舞い手 Copyright まどろむ海月 2006-01-07 13:04:56
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