君へのおもひ
maumi

狂い咲く雷の道を
まだ歩いているというのかね

わたしの脚は動かずにいる
ついには逢えず終いだ

若かりし頃の面影を
ぼんやり思い出そうとするのだけれど
暖炉の前の陽炎のように
ゆら ゆら揺れて
定かにならない

陶器が洒落てた薄暗い灯の明り
珈琲の味は今でもわかるというのに

語った想いの愛くるしい言葉
今でも思い出せるというのに

笑顔だけがぼんやりと
映しだされようとする前に 
暖炉にくべた杉の木が
弾ける音とともにまた消えていく

わたしの脚は動かずにいる
ついには逢えず終いだ

シワだらけの手に掴めたものは
君とのおもひで

狂い咲く雷の道を
まだ歩くかね

君のゆく道なら
ゆけばよかったと
頬を伝う涙が 
今更ながらに絞めつける

 あぁ 暖炉の火も消えてきたか

狂い咲く雷の道 今でもひとりで・・・


自由詩 君へのおもひ Copyright maumi 2006-01-07 00:22:29
notebook Home 戻る