生まれたことを
石川和広

生まれたことを
ふだんから考えているかわからないで

生まれたことにささる月影がきれいで
わたしはここにいました

犬が吠えていて
寒くて
でも
少しずつ
結晶になる世界
お母さんの顔

もうあまり
迷わなくなってきて
少しずつ
通いあうこと
通いあえないこと
あって
字がふるえて


大丈夫かもしれない
わたしは
少しずつ
何だか生きているようで

今日は誕生日だから
少し素直になろう

まずい詩も書いた今日
はじめての人にあった今日
大雪がふったらしい今日

困っている人に
愛を送れれば
でも
そこまで
まだ
行けない
から
から
わたしは祈ろう

なんとなく
大切に
つながって
切れて
みんなに
祈ろう


素敵な人を
祈ろう


自由詩 生まれたことを Copyright 石川和広 2006-01-06 20:03:52
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