歌うのが好きなんです
和泉 誠

歌うのが好きなんです
とても自由になれるんです
気持ちいいし温かいし柔らかい
とても幸せになれるんです

それはもう一つの宇宙なんです
私は歌って遊ぶのが大好きなんです

自由を満喫すると
今度は制限や束縛が何だか恋しくなります
だから私は時々戻っていきます
みんなのいる狭い狭い世界へ

このままじゃ地球は人で溢れかえってしまう
なんとかして火星に住めないものか?

偉い人達が地球人の未来について
頭を悩ませている間に
私は一人、ロケットの力も借りずに
広い広い宇宙へと出発します

制限や束縛を乗り越えてこそ
本当の喜びがあるんだ
昔の人はそう言うけれど
今の地球にはあんまりにも人が多すぎます

村で1番の鍛冶屋でも
町では6番目の鍛冶屋
県では24番目の鍛冶屋
地方では国では地域では世界では

人はただ便利だからという理由で
世界を自分達の手でもっともっと狭くしています

世界は狭くなりすぎました
これじゃあほんの一握りの人しか
本当の喜びを手に入れられないでしょう?
しかもとても不公平なルールだし

だったら私は偽物の喜びでもいいよ
別にいいよ、何を言っても聞かないから

ちゃんと同じルールでやらなきゃだめだろう?
そんなの一人だけずるいよ
聞こえない聞こえない
なーんにも聞こえない


自由詩 歌うのが好きなんです Copyright 和泉 誠 2006-01-06 12:03:01縦
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