緑の子
イオ




呼吸
呼吸が上手に出来なくて
わたし
わたしは胸を痛めた
けれど
月はかわらず穏やかで
頬はついっと滑るしずくを知った

ぽたん
ぽたんと地面に落ちたしずくは
ひやり
ひやりと降る月光を受け
すぐに
小さな小さな芽になった

それは
瞬く間に樹になった
寄り添うわたしは
やがて
ゆっくりと でも確実に
樹と同化した


呼吸
もはや呼吸は一人でするものではない
ゆっくりと
ゆっくりと
この樹とともに

今 わたしは緑の子




050503

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自由詩 緑の子 Copyright イオ 2005-12-31 13:35:01
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