窓辺で
落合朱美



頬杖をついて
空ばかり見ていた 

流れながら
形を変えてゆく雲とか
鳥が黒い点になって
吸い込まれてゆく姿とか


指先でペンを回す仕草を
無意識になんどもしていて
ときおり弾いて床に転がしては
我に返った

決められた時間の枠の中で
頭に知識を詰めこまれては
流して

決められた髪形とスカートの長さを
ほんのすこしはみ出すことで
戦う自尊心

潰した学生カバンには
教科書は入らなかったけど
過ごした放課後のぶんだけ
星粒がキラキラと瞬いていた



頬杖をついて
空ばかり見ている

ときどきそうして
あの頃の目線で
流れる雲を追いかける

星粒は変わらずにキラキラと
デスクトップに瞬いている







自由詩 窓辺で Copyright 落合朱美 2005-12-29 16:10:03縦
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