わたしは通路
石川和広


電車の中で
立ち上がる女の人
意識は遅れて到着する
駅を降りるんだ
立っているわたし
気付かず
立ち上がる女の
すいません
という

肩が押し上げられる
そして気付く
女の人に

あっすいません

押し上げてくるもの
わたしは
つきあげられても
混んでいる
ダイアが
乱れている
平気
あっ
わたしって
通路と直感

そうだね
暮れ
病院帰り
デイケアへ行ける

わたし
風とおしよくなる
かも

かたまりだった
わたし
つつぬけつるつる
穴になる
横へ行く
彼女から電話

なんだか
わたしのからだ
交せた
かわせた

少し
大丈夫

久々に実家に
飯を食いに行く

重たいものも
とおるけど
しずかな風が
色のある風がとおる

ぎざぎざ
いろいろ
星がとおる

暗い空につながる
うわすいこまれる


未来は
いい加減


自由詩 わたしは通路 Copyright 石川和広 2005-12-19 18:51:08
notebook Home 戻る  過去 未来