イルミネイション
石川和広





考え直しても
考え直しても
土は崩れ
不意の後悔
ぼくのからだは
安定を失いながら
考えないことにたどりつけないまま
うごめいている
まるで
イルミネイションを顔に受けて
瞬きを失ったまま


情けの季節
地上の祝祭
多くが聖なるものの傾きに
なだれながら
ぼくはダウンに心臓を隠し
考え直しても
考え直しても
歩いている

ぼくの悪癖が
忘れがたい後悔となって
氷結の地平が
ゆるんで泥になりながら
ぼくのからだは
ちぢみあがりながら
あくまでも
横柄な態度で
地上をビッコする

イルミネイション
つながりの中に入れるのか
ぼくの言葉から
からだへとつづく通路の
不具合をもてあまし
美しい舗道のふきだまりを
歩きながら
かよえるのか
かよいあえるのか

地上にきらめく
多くの恋人たちよ
生きているか
ぼくはまだ楽しめない
発信する口が渇いている


それでも歩く


自由詩 イルミネイション Copyright 石川和広 2005-12-14 18:23:07縦
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