廃棄文章 #02
Monk

(6) 引っ越し

「俺、引っ越すんだ」
「え・・・急に・・・、どーして今まで黙ってたのよ!」
「いや、なんかか、言いづらくってさ」
「バカっ、そんな大事なこと、ギリギリまで黙ってるなんて」
「ごめんな」
「・・・で、いつ引っ越すのよ」
「明日の昼には」
「そ、そんな急に!・・・で、どこに行くのよ」
「えーと、アメリカ」
「ア、アメリカ!あの、アメリカザリガニのアメリカ!?」
「え、ま、まぁそうだけど」
「あの、ミス・アメリカのアメリカ!?」
「だ、誰それ?」
「あの、街角で肩と肩がぶつかれば互いに拳銃を抜きそれが決闘の合図、のアメリカ!?」
「いや、そんなことはないと思うけど」
「あの、ヨネスケが『となりの晩ごはん』でピザを、」
「きっと違うから」
「そっか・・・、アメリカかぁ」
「うん」
「ついにメジャーかぁ」
「や・・・」
「先進国の仲間入りかぁ」
「・・・」
「スシ・バーかぁ」
「もう、行くわ」
「アメリカザリガニかぁ」


----------

(7) 引っ越し #02

「俺、引っ越すんだ」
「ああ、すぐ近くなんでしょ。転校もしなくて。」
「はえーよ」


----------

(8) 数学

やめろよ!
もし、オレがあいつのことを好きだとして、
それならばオレはちゃんと自分であいつに
好きだ!って言う

だから余計なことをするな
わかったか
オレとあいつのことはほっといてくれ


<問1> (10点)

 このとき、「あいつ」が廊下の角でこっそりと
 このやりとりを聞いている確率を求めなさい。


----------

(9) 詩 #01

「まぜるな」

なわとび
なわとび
逆から読めば

さぁビトワナ選手、2回目の施技の得点は

10点 10点 9点 10点 誰? 9点 9点

こらこら
質問をまぜるな


----------

(10) エレベーターアワー

エレベーターの中で二人になったときよくしていること。

俺『お前、オレの頭の中を読んでいるな!』
彼『ほぉ、わかるのか』
俺『いや、初めてだ。同類に出会ったのは』
彼『なるほどな。いや、はははは』
俺『なんだ?なぜ笑う』
彼『これは失敬。あまりにも今の君の想像力が豊かだったのでな』
俺『ちっ』
彼『しかし、それはあながち間違いというわけでもない』
俺『なに!?』
彼『そうだ、この力を悪用しようとしている奴だっているということだ』
俺『!!』
彼『まぁ、君はあまりにも無防備だがね』
俺『・・・』
彼『さて、私なら君の力になれるかもしれないがどうするね?』
俺『・・・・・・』

チーン

彼『到着だ。私についてくるかどうかは君におまかせするよ』
俺『ま、待て!』
彼『ははははは』

ってなことになるかもしれないので、テレパシーを送り続けています。



散文(批評随筆小説等) 廃棄文章 #02 Copyright Monk 2005-11-29 22:52:52
notebook Home 戻る  過去 未来