*やじろべい*
かおる



北の国では雨粒が
まっしろな六角の花を咲かす頃
運命をギュっと掴んでいたその指は
夢や幸せも白く結晶させたようで

すべからく物事は
原因があって転がりだし
人との出会いも必然で
きっと、そこには意味があるはず

嫌になる程事件事故で溢れている
その隙間をぬって
奇跡的に生きているのか

砂糖菓子のような幼子の
あまい誘惑に負ける奴がいる

学校はガラスの動物園のようで
蒼く透明で無垢で
宝石のようにキラキラ輝いている
綺麗だけれど ガラス細工は儚いのか
手折るのは容易い

涼やかで高らかな音色で
さんざめき共鳴しても
表面は硬質で冷たく
決して他と交じる事は無い

綱渡りのような第一歩を踏み出し
死んでいった者を贄や人柱として
微妙なバランスで立っているのか

私は知らない


自由詩 *やじろべい* Copyright かおる 2005-11-27 19:10:34
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王様の耳はロバの耳