冷たい雪の降る夜に
千波 一也

冷たい雪の降る夜に

わたしのからだは凍えてゆくから
わたしのからだは
小さくなる

わたしはわたしを抱き締める



冷たい雪の降る夜に

わたしのことを
わたしのほかに
包んでくれた誰かのことが懐かしい


あたたかさには
種類など無いのかもしれない

それほどまでに
わたしは小さく
わたしはよわく
仕方のない命であるのかもしれない



冷たい雪の降る夜に

凍りつくわけでもなく
果てゆくわけでもなく

わたしのなかに
確かに宿るあたたかさを
わたしは
見つける

わたしをここに
成り立たせている
かけがえのない守りを
そっと
知る



自由詩 冷たい雪の降る夜に Copyright 千波 一也 2005-11-25 17:43:16
notebook Home 戻る