手淫童子
虹村 凌

エグルクブルグルブの都に住む 手淫童子
小さい頃から続けた 其 のお陰で
今は最早 見る影も無い程に小さく縮こまり
手淫童子 今日も薄ら笑いを浮かべて
特大のバイブを腰にぶら提げている

エグルクブルグルブの都に住む 手淫童子
一年のうち11ヶ月は吹雪に閉ざされる土地
今は最早 ジッポの火ですら着きはしない
手淫童子 今日も薄ら笑いを浮かべて
縮こまった其の原因を他に探している

エグルクブルグルブの都に住む 手淫童子
一週間溜め込んだ 其 を出すのが唯一の快楽
今は最早 三度の飯よりも早く出したい
手淫童子 今日も薄ら笑いを浮かべて
きらきらと光る手を眺めている

エグルクブルグルブの都の大地を
手淫童子 手淫童子
お前の 其 で染められたのでは堪らない
手淫童子 手淫童子
美しい女をお前に差し出そう

エグルクブルグルブの都の都に住む 手淫童子
まだ本当の快楽を知らない 其 を上げて
向かうはこの世で7番目に美しい女性
手淫童子 手淫童子
最早彼は手淫童子では無くなり
手淫童子ではなくなった
エグルクブルグルブの都に
手淫童子
眠るように溶けて流れて行った



自由詩 手淫童子 Copyright 虹村 凌 2005-11-12 13:41:41
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