伝言
落合朱美


どうしたら君に届くんだろう

たとえば木洩れ日が
レースのカーテンに映した
まだら模様のさざめく言葉たち

秋の一日は
誰もがみんな一人ぼっちと云いながら
肩を寄せあって群れている

季節が廻り
またいつかと同じような冬がやって来て
窓の高さまで雪に埋もれてしまう

雪には音があるんだよ
真夜中じゅう雪は
しんしんしんしんと唄っている

そんな歌があることを
君は知らない 知ろうとしない


どうしたら君に伝わるんだろう

僕らはいつもたくさんの
光と言葉と歌に囲まれて生きているから
寂しいなんてないんだよ

たとえ冬に閉ざされても
かならず春が訪れて
顔を上げて眩しさに目を細める

そんな日があることを教えたい

俯きつづける君のために







自由詩 伝言 Copyright 落合朱美 2005-11-10 20:27:35縦
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