わたしが眠っていると
チアーヌ

わたしが眠っていると
ドアを開けて神様が入ってきて
わたしの口の中に何かを突っ込んできました
なんだろうと思ったけれど
眠くて何がなんだかわかりません
そのときわたしは
大昔のローマの
地下20階建ての大浴場で
自分の体を洗うところを探して
ぬるぬると水垢で汚れた薄暗い石畳の上を
裸で歩いていました
大浴場の片隅には
カビと水垢で汚れきったシャンプーボトルや
洗顔フォームのチューブが
打ち捨てられていました
少しでも少しでも
上の階に行きたくて
ぬるぬると汚い石畳の階段を
我慢して
一段一段上がって行きました
それなのに
神様は
わたしの口の中に何かを突っ込んできました
わたしは何度も目を覚まそうと思ったけれど
眠くて眠くてどうしても目を開けられません
そして神様は満足すると
ドアを開けてどこかへ行ってしまいました


自由詩 わたしが眠っていると Copyright チアーヌ 2005-11-10 15:51:50
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