僕たちはいつも独りで
いとう


死ぬときはひとりでいたい
本当にひとりで
見守るものもなく
見捨てるものもなく
星が
星の瞬きが
気づかれないうちに黒く
黒く輝くように

かなしいとか
なみだとか
そんなものはいらない
そんなものはない
まして
持っていけるものなど
どこにあると言うのか

星が
星ではなく君が
君の
輝きが黒く
黒く染まるなら
手を繋いだりしない
顔を拭いたりもしない
僕たちは独りだったねと
どこかでつぶやいているよ
僕たちは独りだったねと
風が
風が夜空を
さらっていくまで





未詩・独白 僕たちはいつも独りで Copyright いとう 2005-11-09 18:10:25縦
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