優しいところ
チアーヌ

どうか優しい灯りをつけてください
お寺近くの静かな道に面した部屋は
わたしのたったひとつの場所だから
辺りは真っ暗で何も見えなくて
心細くて泣きたいくらい
けれどわたしは泣きはしない
優しい灯りだけを頼りに
暖かい布団だけを頼りに
わたしは今夜も疲れた足を引きずり
たったひとつの場所へ行く
古くても寂しくても構わない
カバンに入った鍵を震える手で探ります
外灯はそのままで
温めて


自由詩 優しいところ Copyright チアーヌ 2005-11-02 22:19:53
notebook Home 戻る  過去 未来