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石川和広



にんげんを神の家畜だと思った人がいる
あるいはそうかもしれない

そんなのおかしいよと誰かはいうだろう
あるいはそうかもしれない

じゃあほんとの家畜はどうなるんだと
ニュースキャスターらしい人が語る
あるいはそうかもしれないが
それはおかしいと思う

何か大きな雲が人を食べて
星に水を明け渡している

そのうめきが沈黙になる瞬間にも
人は結ばれる

朝は来るが
リレーはこの頃されていない
どうも調子が出ないんだ
そう最初の人が言った

どういう意味か
人の影が薄れて
もう雲が食べても味が薄いんだろう
ニュースを見ながら
さみしい
僕はそんな気持ちにもなるのだ


自由詩 ニュース Copyright 石川和広 2005-10-26 18:28:56
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