追憶
落合朱美



風のむせび泣く
夜のはしっこの
ほんの隙間に
こぢんまりと
丸くなって
眠ってしまえ

水銀の上下する
オブジェを見て
ころころと
声をたてて
笑えばいい

とじた
まぶたの裏側に
万華鏡が
映る

メントールの
匂いは
あれは
懐かしい

記憶





自由詩 追憶 Copyright 落合朱美 2005-10-23 21:44:27
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