夜は少しやさしい
石川和広

傷ついて
しまった者
遠くからみてる
見守っている僕は

傷だらけの朝
まどろんでいる
ねぼけた手つきで
昔を
まさぐって
あんまり欲情しない
大丈夫かな
おんなのこと思う

おんなは結婚した
死ななかった
よかった
遠い近い声で
よかった

昼になると
焼きうどんを作る
許せない
今日もいいもの書けない
誰もいない
どうしようもなく一人で
君のことを
君のことを
おもう

やわらかく
時に激しく
いつもの珈琲屋に行ってもそうだ

歩きながら
夜に襲われる
朝来てた朝刊をとりにいく
時間が
朝から
傷つけられて
それを襞にして
生きて
生きて
夜に対する

夜は
少しやさしい


自由詩 夜は少しやさしい Copyright 石川和広 2005-10-20 21:42:44
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